東京でアパートのひとり暮らしをしていた頃、これからの人生を考えると、支えとなる教えと行動を支える体が必要だと感じました。
支えとなる教えといえば宗教ですが、縁がありませんでした。
また、体を鍛えるといっても、怪我をしたら生活に支障をきたすので、一歩踏め出せないでいました。
そんなとき、区の広報紙に「少林寺拳法初心者教室」の案内を見つけ、緊張しながら参加しました。
当時いろいろと気を配っていただいたのが、助士だった町工場の社長さんです。
練習の後、焼き鳥屋に寄っては、少林寺拳法の話で午前様でした。
そして、「道院長のようになりたいものだ。」と語り合っていたことが、心に残っていました。
少林寺拳法は、自分で気づいていない体の特徴を教えてくれます。
手首の硬さや柔らかさ、膝関節の硬さや柔らかさなどです。
誰でも、それまでに使ったことのない部分は、自分の体にもかかわらずよくわかっていないものです。だから、うまくできることとできないことに気がつきます。
何でできないんだろうと思っているところに、否定的なことばを発すると自信をなくしてしまうので、肯定的な言い回しをすることを心掛けています。
そのときできなくても焦らないで続けて行けばできるようになります。
修練道場を借りていますが、ここは、管理人が常駐していないので、、私が開け閉めの責任者になります。
時間の都合がつく拳士には、最初の作務(施設内をふき掃除すること等)から、終わりの作務まで、一緒に行動します。
こうして、道場の清潔さと危険な箇所がないことを確認し合い、次に利用する団体が気持ち良く使用できるようにして帰ることを実践しています。
道場を磨くことで、自分を磨くことに手を掛けてもらいたいと思います。
そして、社会で認められる団体として認識していただくことで、少林寺拳法の修行が誇りあるものになることを目指しています。
道院長研修会や指導者研修会で体験したことや指導方法の情報は、すぐ取り入れて最新の情報で活動しています。
最近では、お手玉を使って姿勢を矯正したり、メトロノームを使って突き蹴りのテンポを矯正したりしています。
また、DVDを視聴しながらのエクササイズも楽しんでいます。昇級試験や昇格考試が近くなると、受験を意識した修練もありますが、在籍者数が少ないのできめ細やかな指導ができています。
現在、特別昇格考試の受験者が控えているので、それぞれに自覚して修練に臨んでもらうようになります。
手を貸してもらったら、次は手を貸す番です。
情況を認識して、修練の充実感がある道院運営を心掛けています。
子供のころからいままで習いごとはすぐに止めてしまっていたので精神的に継続できるか不安でした。道場に荒っぽい乱暴な人がいないか、道場に馴染めるか心配でした。
道場に繰り返し通っているうちに、少しずつ上達していったので少林寺拳法に対する恐怖心が薄れてきてだいぶ精神的に辛くなくなりました。
また、先輩たちが声をかけてくれたのですぐに馴染むこともできたし、礼儀をわきまえた親切な方ばかりで安心して練習に集中できる、とても良い道院だと思います。